【初心者はやってはいけない】ウエストをマチ付きで10㎝広げる方法

このブログ記事では、お気に入りのスカートのウエストがきつくなった時に、10cm(多めに)広げる方法を解説します。
スカート丈の長さは同じでウエストの増えた部分の生地も同じ共布で見た目には何も変わりません。
ただウエスト周辺部分を広くしたという方法になります。
- スカートの長さは同じ
- ウエスト部分を10cm広くする
- 表には色・柄の違う別布はつかない
- 共布で補う
ウエストの脇ゴムに共布を足して、ゴムでウエスト調整するなど、裁縫のスキルレベルでは、中~上級程度の難易度の少し高い方法になりますがこの方法を一度習得すると少しくらいのウエストを調節するのはいくらでもできるようになります。
これらの方法を取得すると、大切なスカートを諦めず、再び快適に着こなせるようになるでしょう。
お気に入りのスカートをあきらめないで

Step 1:年齢とともに体型変化でウエストがきつくなる
はじめに伝えておきたいのは20代でも30代でも、体型の変化は誰にでも起こりうるということです。
仕事の忙しさや生活リズムの変化、ホルモンバランスの影響などで、知らないうちにウエストまわりに少しずつ変化がおこります。
「お気に入りのスカートがきつい…」と感じた時、自分を責める必要はありません。
むしろ、それは“今の自分の身体と向き合うサイン”かもしれません。
スカートが入らなくなったからといって、もう着られないとあきらめるのはもったいない。少しの工夫やリメイクで、またそのスカートを楽しめるのです。
そっか、年齢やライフスタイルの変化でウエストサイズが変わるのは当たり前なのよね。

そうよ、「合わなくなった=自分のせい」ではなく、誰にでも起こる自然なことだと理解しましょうね。

Step 2:思い出の服を生かす価値を感じる

- 自分の手で解決する達成感は、新しい服を買う以上の喜びになります。
- 大切な一着を手放さずに直すことで、愛着が深まり満足感が得られます。
ウエストを広げる前の確認
Step 3:スカートの素材・デザインをチェックしましょう


まずは服の素材やデザインを観察してみましょう。

- ゴム入りか、ファスナータイプか、プリーツかを確認。
- 構造によって広げ方や手順が変わります。
<スカート前>
前ファスナーつき
ダーツなし
脇ポケットあり
ウエスト脇ゴムあり
ベルト通しあり
<スカート後ろ>
切り替えあり
ポケットあり
ウエスト脇ゴムあり
ベルト通しあり
Step 4:どのくらい広げたいか寸法を測る

どれくらい自分のウエストとスカートのウエストの差があるのか必要な広がりを数値化しましょう

自分のウエストとスカートの実寸を計測します。
例えば自分のウエスト寸法が75cmとします。
ファスナーを閉じた状態でスカートのウエスト寸法が65cmの場合
自分の寸法(75cm)ースカートの寸法(65cm)=-10㎝
スカートのウエスト寸法が10㎝足りないということになります。
「あと何cm広げたいか」を具体的にメモしておくと作業がスムーズになります。
作業をする前に必ずメモしておきましょう。
Step 5: 必要な道具と作業環境を整える

作業準備を整えます。
- ミシン
- ロックミシン(ミシンのジグザグミシンでOK)
- アイロンとアイロン台
- リッパー
- 糸切ばさみ
- 竹尺(20cm程度のものさし)
- 目打ち
- しつけ糸(初心者の方は必須)
- チャコペン(またはチャコ)
- 待ち針
- 型紙用の紙(B5~A4用紙程度の紙)
- スカートに似た布(あれば共布)50cm×50㎝程度

- ミシン、糸切りばさみ、アイロン、まち針など基本道具を揃える。
- 明るい場所で作業できるテーブルを確保しましょう。
ではそのまま着ても目立たない方法とはどういう方法になるのでしょうか?
そのためにはやはりほどくところから始まります。
次にほどく点から確認してみましょう。
Step 6: 縫い代をほどいて余分なところを出す

既存の縫い目をほどく
- スカート内側の縫い代に余裕があるか確認。
- リッパーで慎重にほどき、余分な布を使ってウエストを広げます。
今回は余分な縫い目なんてないよ~!!どうするの?全然足りない!

ウエストにマチを追加するしかないようね。

このスカートはダーツやタックもなく、脇の縫い代だけで10㎝もの縫い代を出す余裕がないため、脇のゴムの部分にマチを追加してウエストを広げることとしました。
Step 7:ウエスト部分にゴムやマチを追加する

伸縮性をプラス
- ウエストベルトの一部にゴムを差し込み、着脱しやすくします。(具体的なウエストベルトの広げ方はこちらから)
- またはマチ(別布)を加えてサイズを調整。見た目を損なわないよう同系色の布を選びましょう。
Step 8: 裾や脇に布を足してデザインアレンジ

リメイク感覚でデザイン変更
- 脇に布を足してアクセントに。
- 配色布やレースを活かすと、おしゃれなアレンジとして楽しめますが今回は共布を使い、違和感のない布を足してアレンジしていきます。
作業をきれいに仕上げるコツ
Step 9:失敗しないための仮止め・アイロンの使い方
- 本縫い前にまち針や仮縫いで形を固定。
- アイロンで縫い目を押さえると、仕上がりが美しくなります。
Step 10: 共布やステッチ糸色選びと目立たない縫い方



生地に合った布や糸色を選び、目立たない縫い方(まつり縫いなど)を意識しましょう。
Step 11:裁縫が不安な場合は専門店に依頼する選択肢
- 自信がない場合や高価なスカートはリフォーム店に相談、プロに頼む方法も検討しましょう。
- 費用相場を確認して安心して依頼できます。

ウエストを広げた後のケア
Step 12: お手入れと洗濯の注意点
- 仕上げ後の扱い方として新しく縫った部分は摩擦や洗濯に弱い場合があります。
- ネットに入れて洗う、アイロンは低温にするなど丁寧に扱いましょう。
Step 13: 体型変化に合わせて長く着るための収納方法
- 次に備えた保管方法としてシワになりにくいハンガーに掛け、湿気を避けた場所で保管しましょう。
- 季節ごとのサイズ変化に備え、定期的に試着を試みましょう。
まとめ:自分で直してまた着られる喜びを
Step 14: 自分の手で直してまた着用できる安心を得られる喜び
- 自分の手でサイズを調整できた達成感は、自信につながります。時間をかけてしっかりとつないでいきましょう。
Step 15:服を長く大切に使うからこそ得られる心の豊かさ
- 思い出のスカートを再び着られる喜びと、ものを大切にする満足感を味わい愛着を再確認して長く着用していきましょう。
ぜひ挑戦してみてくださいね♪
第2章:スカートを10㎝広げる具体的な考え方


一概に比較できませんが、スカート丈の長さとヒップ寸法は同じでウエスト寸法は10㎝大きくなり、ミドルヒップラインからヒップラインにかけて少しづつ元のラインに戻して補正を施しました。
修正をかけたのは以下の2か所のみです。
- ウエスト寸法を広げる。
- 脇ウエストからヒップラインにかけてマチをつける
図解で表すと以下の部分になります。

ウエストは元のスカート生地を使っているため、大きくなっていても何の違和感もありません。
しかし共布は購入時に紳士服のような予備布もないため、このスカートのどこかを使って表に見える部分につけていくという方法になります。
さて、どこを使いましょうか?
えぇ~!どこから表に布をもってきたの?裏もついてないし…。

ではスカートの裏を見てみましょう♪


特に使えそうなところはありません。
と思った方も多いでしょう。
でもプロはここから表布が裏にもついている使えるところは使います。
そして使ったところの補足を別の布を使って補修していくのです。
答え:今回はウエストベルト布とポケット布を表の部分に使っています。
そう、つまり、色の違うこの部分です。

実際に共布に近い色を探すといってもなかなか見つかりません。
実際に近い色に見えたつもりがこのように縫い合わせてみると全然色が違います。
カジュアルなデザインのものならわざと別布を使うというでもいいでしょう。
そのほうが切り取った共布を、またつなぐ必要もなくなるためリフォームとしては手間がひと手間省けます。
でも大事な服だから雰囲気を壊したくないのよね。

そういう時には時間はかかるけれど、スカートの裏部分から共布を表に持ってきて、切り取った共布部分を他の布で代用して雰囲気を壊さないという方法もあるわよ。

ではまず、ほどく手順から考えていきましょう
ウエストをほどく手順

ウエストベルトをほどく
ほどくときには表布を傷つけないようにできるだけ裏の糸からほどいていきましょう。
ほどくというのは完成された既製品を壊すことから始めるため、非常にほどきにくいこともしばしばです。
特に最初の切り込みは布に傷をつけやすいため、裏のほうから目打ちやリッパーを使って丁寧に糸だけを切るように注意が必要です。
今回は脇のゴム部分をほどいて脇に10㎝増やしていくため、片方の脇で5cmずつ布を足していきます。

このゴムの位置は両サイドにベルト通しが付いています。
ベルト通しの位置までほどいてしまうと後で縫い合わせるときに、とても縫いにくくなってしまうので、ベルト通しの2~3cm手前でほどくのをやめるようにしましょう。
5cm布を挟むだけなのに、どうしてそんなにたくさんほどく必要があるの?

ウエストを広げるとゴム長さも伸ばさないといけないでしょう?ゴムの上下間にあるステッチもほどいていくからたくさんほどく必要があるのよ。

ウエストがほどけたら今度は脇の縫い目をほどいていきます。
脇の縫い目をほどき、マチ布の型紙をとる

脇はどれくらいの深さまでほどくかをよく考える必要があります。
ウエストラインで5cm広げるため、5cmからヒップラインに向けてなだらかなカーブでひいていく。
広げる幅が2㎝程度ならもっと短くミドルヒップくらいまでの9~10㎝程度でもいいでしょう。
広げる幅に合わせてマチの深さも調節していきましょう
- スカートの脇線はどうやって引くの?マチの型紙の書き方は?
スカートの製図を書くときには前と後ろを半分書きますがそのとき、脇の部分はウエストラインからヒップラインにかけてカーブを描いていきます。
若い女性のウエストにはバストラインからウエスト~ヒップラインを描くとくびれがあり、ヒップに向けて脇のラインが大きくなっていく場合が多いのですが、40代をすぎて高齢になっていくにつれてくびれがだんだんなくなってウエスト寸法も大きくなっていく傾向にあります。
また腰の張りに合わせるためにウエストラインで脇の高さを1㎝程度追加して上げていきます。
そのため今回の脇の布の追加部分も直線ではなくほどいたスカートの脇線に沿った緩やかなカーブを描いていきます。
ほどいた脇線のウエスト部分を5cmあけて、えんぴつで脇のラインをなぞっていくのがいいでしょう。
脇の縫い目にはブランドタグなどついているので、ほどいたときには後でつけ直すため、なくさないように保管しておいてくださいね♪

脇線が描けたらウエストラインを脇の位置で0,7~1㎝程度高めにおいてウエストラインを引きます。

このような感じでマチの型紙が取れました。
忘れないうちに周囲に1㎝の縫い代をつけておきましょう。
追加する布(表の共布・裏の別布)の取り方

表に追加する共布はどこから持ってくるの?
スカートのウエストを大きくしたときに別布を使っていると「ウエストが入らなくて大きくしたんだな」とわかってしまっては少しバツが悪いですよね。
ここでは表布と同じ生地を使ってその穴埋めをしていきます。
はじめにスカートの裏を返したときに、表布が見える所を確認しました。

上図のマーカー(緑色)の部分です。このいずれかを使って表布の不足部分を補っていきます。
今回のパターンについて、裏に見える表布の補修できる可能性について
マークで表してみました。【★マークが多いほど補修できる可能性が高い】- ウエストベルト布 ・・・・
- 脇縫い代 ・・・・
- スカート裾(ヘム) ・・・・
- ポケット布 ・・・・
【ウエストベルト布】可能性
ウエストベルト布の幅を広げるにはウエストベルト布の裏面は表面と同じ幅があるため表布として使える可能性が高いといえます。

【脇縫い代】可能性
脇に縫い代がほどんどないこと、広げるウエスト幅が10㎝と広いなど考えると出せても1㎝程度で、かかる手間に対してあまり効果が薄い
【スカート裾ヘム】可能性
裾幅は3cm程度あるが、ウエストの補修にはウエストベルトでとれているので不要。脇のマチをとるには幅が足りない
【ポケット布】可能性
幅に一番余裕があり、マチをとる幅もある。マチをとれるか型紙を置いてみる

型紙の地の目(中心線)には多少ゆがみが生じるが、縫い代付きマチをすっぽりとれます。
このポケット布でマチを裁断することが可能です。
また、ポケット布のすべてではなく、一部を切り取ってマチをとることが可能なため、一部を切り取ってマチ部分の補修をしていく方法とします。

そうするとポケット口から新たに作り直す必要もなく、切り取った部分のみ別布を使って補えばよいのです。
これで追加する共布が二つとも(両脇ウエストベルト布・両脇マチ布)取れました。
切り取った共布の補正手順
ほどいた順番の逆の順番で補修をすすめていく手順で考えると、まずはマチの補修方法から補う方法を考えていきます。
ここで共布を使わずに別布を使ってマチを作る場合には以下の手順は必要ありません。
あくまで同じスカート布からマチを取る場合の方法です。
マチをとるポケット布の補正手順
ポケット袋布にマチの型紙をあてる

型紙はなるべく袋布を縫い合わせているカーブのほうに寄せて、ポケット口にかからないように型紙を合わせていきます。

赤矢印の位置まで直線でチャコペンで線を引き、ポケットの周りをほどいておきます。
型紙には縫い代がついているため、袋布のぎりぎりで裁断することが可能です。

左右対称に作っているポケットなので、左右の見えないスカート側のポケット袋布を一枚づつ使ってマチ分の布を取り出します。
ここでは左右対称になるように一枚ずつ切り取る方法について解説していますが、片方のポケットだけを切り取って2枚分のマチをとることも可能です。
マチ分のカットした布のポケットを作り直したり、ポケットの使用頻度に応じて使わないほうのポケット口を使わずに塞ぐことで作り直す必要がなくなる場合もあります。

別布を付け足すには、はさみで切り取った部分に1cm程度の縫い代(赤矢印)を付けるのを忘れないようにしましょう。
(切り取った部分を縫い合わせるために、カットした両サイドに縫い合わせるための縫い代が必要になります。切り取った部分のそれぞれに0.5cmの縫い代を付けて縫い合わせる場合には1cmの縫い代が必要になります。)
縫い代が少なくて不安な場合、追加する1㎝の縫い代部分を2㎝にして、縫い合わせるときに1㎝にしてくださいね♪

スカートの切り取られたポケット袋布の一部と別布を中表にして縫い合わせ,ロックミシンをかけアイロンで縫い代上の方に抑えておく。
表からポケット口布側を上にして抑えミシンをかけておく。

ポケット口から両方の袋布を出してほどいた縫い目からつなげて0.5mの位置にミシンをかけていきます

ポケット袋布を0.7cm(中の縫い代が0.5cmなのでそれより多く)でポケット周りにステッチミシンをかけてポケットは元の形に補修されました。

ウエストベルト布の補足寸法
ウエストベルト布はゴムの入っていた部分にウエスト追加分の布を当てていきます。

ベルト布を切った周囲はアイロンで縮んだ部分を伸ばして広げておきます。



切り取るのは両脇2か所でウエストを10cm寸法を増やす計算でいくと
10㎝÷2=5cm
片方で5cmのウエスト寸法を広げる必要があります。
5cm追加が必要な場合、布の両サイドに0,5㎝づつ縫い代を追加するとするとAの寸法の布(6㎝)が必要です。
足していく共布には6㎝に縫い代を両サイド0.5cmづつ縫い代を付けると切り取ってつける布の長さは7cm必要になります。(上図B)

ベルト布はウエスト端をぴったり合わせて縫い代が同じになるようにミシンをかけていきます。

ウエストベルト布をつなげたら裏の足りない寸法分を測って別布で裁断しておきます。
単純計算では7cm+7㎝=14cmになりますが、計算通りに縫えていない場合もあります。
実際にウエストベルト布をつないでいくと
カットしたウエスト寸法+ウエスト寸法の不足分ー縫い合わせ縫い代分(1㎝)=13cm
このような計算方法になります。
したがって別布を裁断する場合、13cmの長さの別布を裁断しておく方がよいでしょう。
ウエストのゴムの寸法の算出方法については以下の記事も参照ください。

続けてウエストを縫い合わせる方法はこちらへジャンプしてください。
具体的な補正方法は?マチの縫い方

ここでは、先ほど解説したスカートの裏に隠れる部分で裁断したマチのつけ方について解説していきます。
脇のマチのつけ方

両サイドの分を中表に合わせて左右マチ分2枚一緒に裁断します。

ポケット袋布の地の目が黄色だとすると、型紙をとったマチ布の地の目(赤色)はポケット布の地の目を無視して裁断することとなり、この地の目のゆがみで縫い合わせた時にそこだけ違う色のような見え方になる場合もあります。
地の目を合わせるのは大事なのですが、ここでは共布を使うことを優先としているため、その点は若干の違いが生ずると思って心にとめておきましょう。

裁断が終わったら、生地の表と裏を間違わないように、裏の生地にマチの形を写しておきましょう。
マチの裏に印をすることで、表と裏を間違えなくなるし、型紙を写すと縫い合わせるときに、中表にして合印で生地を合わせやすくなります♪


ほどいた後ろスカートのウエスト部分と、マチをの縫い止まりを合わせて待ち針をうちます。


マチが縫い終えたら、ウエスト寸法で5cmのマチができているか確認しましょう。

ほどいたときに外したネームタグや洗濯タグはここで付け直してミシンをかけておきます。

ロックミシンがロックミシンをかけて、家庭用ミシンの場合はジグザグミシン等をかけて端の始末をしておきましょう。

ここで脇の縫い目に太い糸(ステッチ糸)が使われている場合、通常の60番の糸から30番(もしくは20番)の糸への交換が必要です。
糸が太くなった場合、針も合わせて交換していく必要があります。
ここでは11番の普通地用から14番の太い糸用に交換していきます。
糸と針を交換したら、必ず試し布を使って糸調子をあわせてから本縫いをするようにしましょう


ほどいた縫い目の針のあとが残っているので針目に合わせてステッチ糸を縫っていきます。ほどいた所で2~3目重ねてステッチミシンをかけていきましょう
ウエストベルト布を追加してスカートを完成させる方法

ウエストを追加した完成形
さて、いよいよ最後となりました。
マチ布がついたので、あとはウエストベルトを残すのみとなりました。
ウエスト表布は先ほどベルト布がつながり10㎝大きく広がりました。
残るはベルト裏布部分のみです。
ではここからつながったウエストベルト布の裏に別布をつける方法とウエストを縫い合わせる方法についてみてみましょう♪


先ほど表布のベルト布はウエストでつながった状態にあります。これを元にウエストベルト別布を縫い合わせて一枚のベルト布に戻していきます。

先ほど縫い合わせたウエストベルト布よりも別布が2㎝長いことを確認しておきます。別布左右0.5cmずつ縫い合わせるためにそれぞれ1㎝の縫い代が必要になるからです。

ウエスト布の角に向かって0.2cm程度に切り込みを入れます。



ベルト布の切り込みぎりぎりまで端から0.5cmでミシンをかけて(画像①)、ミシンの針目を落としたままベルト布をつまむようにして向きを変え(②)別布と次の切り込みまでミシンで縫います。

このときベルト布の縫い代はベルトの折り目で裁断しているため、縫い代が0,2cm程度になるように布をずらしてミシン目からはずれないように縫い込みます(画像②)。
最後に切り替えでまた向きを変えて縦に0.5cmの縫い代で端まで縫い込みます(画像③)


ベルト布はこのとき別布が表から出ないようにアイロンをかけて整えておきます。

元のウエストを縫い合わせた位置は緑色のライン上ですが、先ほど別布と縫い合わせるときに後ろに食い込ませた分だけウエスト縫い代を出して黄色いラインでウエストを縫い合わせます。
これでウエストがつながりました。
このままウエストの折り返し端にステッチミシンをかけておきます。



スカートには10コールゴムが2本入っていたので、入っていたゴムはそのまま利用することにして片方のゴム止めステッチをはずして引き出し、不足分を追加することにしました。
今回はそれぞれ5cmのゴムを追加します。
ウエストゴムはゴムの種類によってもさまざまですが、ここではウエスト全体を10㎝広げたサイズに対してゴムは6cm程度しか追加しません。

それぞれ左右5cmのゴムを2本ずつつなげていきますが、つなげる両端には1㎝ずつの縫い合わせをしていきます。
ウエスト10cmの追加に対して6㎝しかゴムを追加していなくとも、細いゴムが2本入るという形なので、ゴムの伸縮率を考えてゴムをつなげてあります。
ゴムを2本つなげたらほどいたゴムの端で止めミシンをかける。



黄色のステッチミシンは先に縫い合わせてあるため、縫い方の順序としては以下の順序で縫い進めました。
① 黄色矢印にステッチミシン
② ゴム止めミシン
③ 赤色矢印にステッチミシン
④ 青色矢印にステッチミシン
この方法が正しいというわけではなく、ゴムをミシンで縫い込まないように上から順に
① 黄色矢印にステッチミシン
② ゴムの上1本に止めミシン
③ 真ん中の赤色矢印にステッチミシン
④ ゴムの2本目(下の方)に止止めミシン
⑤ 一番下の青色矢印にステッチミシン
ゴムをもう少し圧手のゴムに変えるという方法も考えられます。
一つの方法がすべてだと思わないように注意が必要です。
まとめ
今回はスカート丈の長さは同じでウエストを10㎝広げ、増えた部分の生地も同じ共布を使って広げる方法について紹介しました。
① ウエストをほどく手順
② ウエストベルトをほどく
③ 脇の縫い目をほどき、マチの型紙をとる
④ 追加する布の取り方(表の共布・裏の別布)
⑤ 表に追加する共布はどこから持ってくるのか?
⑥ 切り取った共布の補正手順
⑦ ウエストベルト布の補足寸法
⑧ 具体的な補正方法は
⑨ マチの縫い方
⑩ ウエストベルト布を追加してスカートを完成させる方法
実際にウエスト寸法を広げるといってもスカートのアイテムや素材によってできないこともたくさんあり、この方法が一番良い方法でもありません。
この縫い方を参考にして自分のスカートの特徴をよく見極め、足りない寸法はどこか、どこを足してどこを引いていくのか、人間の体の特徴はひとそれぞれ違いがあります。
ヒップよりもウエストが大きい場合
ヒップよりも太もももが大きい場合
ヒップは、入るのにウエストがゆるゆるの場合
スカートのサイズも形もデザインによって全然違います。
自分の体とよく向き合い、出来上がったスカートを自分サイズに崩して自分だけの1着に愛着を持って素敵な一日をお過ごし下さい。